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製作者インタビュー

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sasakure.UK ニューアルバム

music & Lyrics sasakure.UK

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Illustration 革蝉

―今回のアルバムはハードスリーブケース+24P のブックレットということで、各楽曲についてイラストを描かれるなどたくさんのイラストを描きおろしされています。今回どういった経緯でアルバムのイラストを担当されることになったのでしょうか。

革蝉)初めまして、革蝉と申します。前回sasakure.UKさんと有形ランペイジさんの楽曲「レプリカ」のMVの制作をさせて頂いたご縁で、今回アルバムのジャケットや、CDの盤面、ブックレットのイラストを制作させて頂きました。

―イラストを描かれるうえで、sasakure.UKからどういった要望ややりとりがあったのでしょうか。

革蝉)最初にコンセプトや要望をたくさん聞き、その後はかなり自由に描かせて頂きました。最初の打ち合わせをさせて頂いた時に「いろんな曲の世界を旅するようなキャラクターを今回のブックレットに出したい」「歯車」「中性的なキャラクター」というご要望があったので、それをうまく消化させた上で今回のキャラクターが生まれました。
その他にもsasakure.UKさんの今までの作品に「虹色」が象徴的に入ってるイメージがあり、音楽とも強く掛け合わせたいと思い、虹色のオルゴールを背負っていたり、虹色のオルゴールを強調させるためにキャラクターはモノクロ調の色合いにするなどしています。

―たくさんイラストを描かれていますが、思い入れのあるイラストはありますか。

革蝉)どのイラストも思い入れ深いですが、特に「トーチカ」「エゴ」などはまだ未発表の曲だった事もあり、かなりドキドキしながら楽しく描かせて頂きました。「トーチカ」のどうしようもない気持ちをぶつけたような歌詞が印象的で、でもそういった気持ちの破片も、時間が経てばきっと何も知らない人が別の形で拾って大事にしてくれるんじゃないかなぁと思い、あえて曲の世界観から時間が経った世界の風景を描きました。
「エゴ」は聞き終えた瞬間に思わず「好き」と呟いていました…。創作する人なら誰もが無意識のうちに作ったものに思っている事や願っている事を表現すると思うのですが、それをこんなにスッと心に入ってくる曲にするsasakure.UKさんは本当にすごいと思います…。創作物にも作り手と同じくらい自我が芽生えていてほしいなと願い、人工物である「彼」には人間に近い表情をさせて描きました。
その他にも「スマートを模索する」「阿呆なるものは」「或る街のギギ」などMVとしてイラスト面で世界観が作られているものは、その良さをどうやったら一枚絵に込めて伝えられるか考えながら制作させて頂きました。「レプリカ」は久しぶりに彼らを描けて、また彼らに会う事ができたことが嬉しかったです。

―アルバムを手に取ってくださる皆さんに一言お願いいたします。

革蝉)描き終えてから、一番最初にsasakure.UKさんがコンセプトに「これだけ作ってたら自我が芽生えてもおかしくないと思う」とおっしゃられたのを改めて思い出しました。今回のコンセプトの根源と共に、私自身も創作物に対して日々思っている事を今回の作品に落とし込みながら描き出せてよかったなと、心から思います。どの楽曲もとても素敵なので、ブックレットのイラストと共に楽しんで頂けたら幸いです。
 

―今回、Vocaloidアルバムとしては「トンデモ未来空奏図」以来6年ぶり、Vocaloid曲の収録されたアルバムとしては「不謌思戯モノユカシー」以来4年ぶりとなりますが、なぜ今Vocaloidアルバムを制作しようと思われたのでしょうか?

ささくれ)2016年から自分なりに色々な角度からVocaloidとの楽曲の在り方を模索していました。
当時は答えが出てなかったんですが、その考え方の一区切りをつける答えを見つけたので、今回リリースする事を決めました!

もう少しで答えが出そうだったところに作品で解答を叩きつけてくれた、イラストレーター革蝉さんの存在はとても大きいです。


今回のブックレットイラストも、革蝉さんの独創的なデザインはもちろん、打ち合わせ等で話していないはずの要素やコンセプトまで取り込んでくれて、作品に寄り添ってくれることの嬉しさを感じました。

―ささくれUKにとって、Vocaloidとはどんな存在ですか?

ささくれ)自分の在り方を決定づけてくれた大切な存在です!自分が自分らしく居られる、一番の場所かもしれませんね。

―今回新たに制作された3曲「エゴ」「サーカトーヴォ」「トーチカ」はどのような楽曲ですか?

ささくれ)

エゴ…過去の自分の歌詞を見返す時があるんですが、当時は割と思うがまま書いた言葉が、時を経て自分自身を突き刺す時があります。”うたはまだ、続いてるの?”という言葉は、今の自分にとても響きました。どうなんだろうなあ。いつまで続いてくれるのかな。この曲は僕の等身大のワガママであって、ボーカロイドの行く末へ手向けた僕の在り方そのものへのワガママ…なのかもしれません。続いてくれるといいな。

 

サーカトーヴォ…届かない想いを馳せる時、夜空を見上げる人は多いと思います。かつての想いが重なる夜空と、変わってゆくかつての地。想いはけして届くことはない、そんなやりきれない世界を、燃やし尽くしてはくれないか。そんな楽曲です。星の光は、そんな燃え尽きようとする想いの中から生まれているのかもしれませんね。

トーチカ…兵器って、守る事と殺す事とが向かい合って存在しているものです。自分の願った幸せが、誰かを傷つける事って多々あると思っていて、そんな兵器の、自ら動くことはないトーチカという掩体壕をモチーフにしました。正義の在り方を表現した楽曲です。

―聞いてくださるみなさんに聞きどころを教えてください。

ささくれ)「エルゴスム」の意味は“ゆえに我あり”なんですが、“我”や“ボーカロイド自身”という存在について考えながら聴いてくれたらうれしいです。

 

制作面の話も少ししたいと思います。今回、mamiさんを迎えて新しい調声を試みてみました。声を一音一音分析してます。
全曲初音ミクVocalで制作しているんですが、新曲は実は初代や過去のアペンドを使って調声してみました。やっぱり自分にはこれだろう、という事で。(調声が一番時間がかかりました…これから初音ミクを買われる方は迷わずV4かこれから発売されるNTをおすすめします。笑)
有形ランペイジでおなじみ佐々木さんのギターもふんだんに取り入れ、既存曲もより完成度が高まったと思います!ぜひ聴き比べてみてくれたら嬉しいです。

―聞いてくださる皆さんに一言お願いいたします。

ささくれ)多分これから沢山の作品に触れると思うんですが、きっと今の自分自身ではなくなってしまうと思って。なので、ちょうど今の自分とボーカロイドとのあり方をカタチに残しておきたくてこのアルバムを作りました。
きっとこのタイミングを逃したら、このアルバムは出なかったんじゃないかなと思ってます。

いつも僕の楽曲を聴いてくれてありがとう。僕のエルゴスム、よろしくお願いします!

Design Q.i

―今回どういった経緯でアルバムのデザインを担当されることになったのでしょうか。

Q.i)こんにちは、メゾネットメゾンのQ.iと申します。今年の夏にリリースした私の所属するユニット「メゾネットメゾン」とささくれさんの合作コンセプトアルバム『Qili』にてボーカルとCDデザインにてご一緒させていただいたのがきっかけで、今回また関わらせていただくことになりました。
ささくれさんとの制作はいつも、次は何が出て来るんだろう…というようなワクワクで溢れていて、制作過程でもインスピレーションをもらったり刺激的なので本当に楽しくて、またご一緒できて嬉しいです。

―革蝉さんのイラストがたくさん使われていますが、革蝉さんやsasakure.UKとはどういったやりとりがあったのでしょうか。

Q.i)最初にささくれさんからアルバムのメインキャラについてのイメージがあり、そこを発想の起点として革蝉さんから様々なイラストが上がってきました。革蝉さんのイラストは曲線が本当に美しいのでデザインでもそれを活かしたくて、実はイラストを細かくレイヤー分けしていただいたりしています。(革蝉さん丁寧にありがとうございます…)

ささくれさんはデザインのアイデアなども投げてくださるので、そこからデザインのアイデアをピックアップして反映させたりしました。
曲が送られてくるごとに世界観やバックグラウンドを添えてくれるささくれさんと、そこから発想された革蝉さんのイラストを組んでいく過程は、制作をしながら一緒に旅をしているような感覚でした。

―とくに思い入れのある箇所や、ここを見てほしい!というところはありますか。

Q.i)デジトレイジャケットの人物がいなくなりコードのみになっているところです。
アルバムジャケットではキャラクターがいるのですが、中身ではキャラクターがいなくなっている…という仕様になっていて、繋がれたコードを振り切っている感じを出したくて、イラストとデザインの兼ね合いを考えながら色々と試行錯誤をしました。2重構造でしか表せない表現なので、フィジカルなレイヤーができるパッケージって本当に珍しいんです。
デザインや構造にまでこだわるささくれさんだからこそ出来た豪華なデザインになっています。

―アルバムを手に取ってくださる皆さんに一言お願いいたします。

Q.i)1曲毎、ページを捲るごとに見せる顔が全然違っていて、一つの筋を持ちながら色々な世界観に浸れる一枚だと思います。細部までこだわりが詰まったエルゴスムの世界へ、皆さんも是非ダイブしてみてください。

Guitar 佐々木秀尚

―今回のアルバムのために「スマートを模索する」「quiz」の2曲のギターを新たに収録されていますが、どういった経緯でレコ—ディングすることになったのでしょうか。

佐々木)ちょうど有形ランペイジの新譜「ODYSSEY」をレコーディングしている最中に、「エルゴスム」のギターレコーディングをお願いされて。
実は有形ランペイジの方がかなりの過密スケジュールだ

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Chorus mami

―特に「レプリカ」「QUI」についてはVocaloidバージョンとmamiさんの歌のバージョンがありますが、この2バージョンについてどのようにお考えですか。

mami)ミクちゃんの声と私の声だと、同じ楽曲の同じ言葉の中でも特にグッと迫ってくるポイントが違っていて面白いです。ミクちゃんの歌を聞いて初めて、ここってこういうことだったんだ、と腑に落ちるようなフレーズもあり、発見でした。「レプリカ」も「QUI」も1つの物事の中にあるアンビバレントな存在や感情に対するジレンマが歌詞に表れているので、2つの異なる歌声が対になって、楽曲の世界観を深められていたらいいなと思います。

―コーラスを担当された楽曲について、聞きどころや苦労したところなどあれば教えてください。

mami)ささくれさんの作るコーラスは主旋律と全く違う動きをすることが常でとにかく複雑なので、短期間で覚えるのに少し苦労しました…。
個人的必聴ポイントは「トーチカ」のミクちゃんの歌声です。無垢な歌声の中に潜む暗さや陰りがたまらなくて、歌詞のやるせない苦しさがさらに膨れ上がって押し寄せてくるように感じます。
また「或る街のギギ」、「阿呆なるものは」と佐々木さんのギターが入っている曲が以前から好きだったので、今回アルバム収録ということでとっても嬉しいです。

―アルバムを手に取ってくださる皆さんに一言お願いいたします。

mami)ささくれさんとミクちゃんが手を取って楽曲の中の世界を渡り歩いていくような、ミクちゃんへの愛と尊敬のアルバムだと思います。携わることができて光栄でした、何卒よろしくお願いします。

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ったので、ささくれさんの制作意欲の高さに脱帽しました 笑

―今回新たに収録した2曲について、楽曲を聞いた感想を教えてください。

佐々木)どちらもささくれ節が炸裂していて最高だなと。quizはBメロがめっちゃ好きで、その後の安定のエモいサビがすごく良いなと。スマートを模索するは「しゅうまつがやってくる」的なポップなサビが個人的に好きだなぁと。

―以前収録した楽曲も含め、ギターについて、聞きどころやこだわったところを教えてください。

佐々木)ささくれさんの曲ってギターのフレーズがギターで弾くことを良い意味で想定していないので、はじめて弾くような音列が多くて弾いていて毎度新鮮だし挑戦させてもらってます。僕が思いつきで弾いたアイデアとかもいろいろ使ってくれるので、ささくれワールドに貢献できたんだなって思えて嬉しいですね♪

―アルバムを手に取ってくださる皆さんに一言お願いいたします。

佐々木)幻実アイソーポスでロストエンファウンドを弾かせてもらって以来、今回もささくれさんのボカロアルバムに参加させてもらえていることがとても嬉しいです。レプリカ、QUIは有形ランペイジ版ともぜひ聴き比べてもらえたらより楽しめると思います!

―今回のアルバムではコーラスで参加されていますが、どういった経緯でレコ―ディングすることになったのでしょうか。

mami)。ささくれさんプロデュースバンド「有形ランペイジ」が昨年5月頃に行ったゲストボーカルオーディションで合格をいただいて、普段は有形ランペイジにてささくれさんの楽曲を歌わせていただいています。
今回のコーラスに関しては、何かで会った時に突然お声がけい
ただきました。

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